神奈川県私立高等学校
・読むのが遅い。 ・書くと思考が停止し、強い疲労感を感じる。
合格決定後担任、管理職
高等学校1年(秋頃に申請) ・PCによる答案作成・時間延長
中学での配慮の実績がわかる資料,医師の診断書と意見書,KABC-Ⅱ,タイピング速度測定,URAWSS,レイの複雑図形の模写の結果
高等学校1年
高等学校2年・PCによる答案作成・時間延長・別室
PC使用も時間延長も、教科とその試験の出題範囲によって変わる。例えば、現代文・古文は指定された部分は手書きで残りをPC使用で時間延長は1.3倍、世界史はPC使用で時間延長なし、数学・物理は本人の希望により手書きで時間延長1.3倍(特殊文字の変換に時間がかかるため)、化学はPCと手書きを併用(問題により本人が選択)、英語はPC使用とマークシートを手書きで時間延長1.3倍、フランス語は手書き。いずれも出題範囲の読み量・書き量などを勘案しながら各教科担任が本人と相談しその試験における配慮を決めていく。本人の困難の状態を各教科担任へ伝えたり、実施される配慮を保護者へ連絡したりするなど、全体のコーディネートをするのは担任。
備考合格後に相談した時には、定期テストにおけるPC使用も申請したが、受験の配慮が時間延長のみだったために、入学後の配慮も時間延長のみで様子を見ようという事になった。その後、時間延長のみでは本人の実力を発揮できていないことがわかり、秋頃PC使用を再度申請した。学校は提出された資料と本人の希望をもとに、合理的配慮に詳しい大学教授に指導を求め、2年生より実施に移したもの。テストの開始前に本人と各教科担任がそのテストの配慮を話し合って決定し、終了後に必ずフィードバック。次回の配慮はそれをもとに話し合いで決めるというサイクルでピタッと合う配慮が実施されている。この学校にとって初めての実施だが、合理的配慮の理念をよく理解した担任の尽力のもと、極めて理想的な形での実施がなされていると感じる。本人は「障害を理由に実力発揮を制限をされることがなくなったことで、キャリア設計にも制限を感じる必要がなくなった」と話している。