神奈川県公立中学校
・体育祭で使用するピストルの音が、自分に向けられているように感じるために緊張状態が続き、競技を観戦したり、参加することが難しい。
実施
中学3年生体育祭の1か月前担任
中学校3年・体育祭で、ノイズキャンセリングヘッドフォンを使用させてもらいたい。
中1の時から、最新の心理検査結果や診断書などを取得した時点で随時提出。
中学校3年体育祭開催日の直前 ・ノイズキャンセリングヘッドフォンを体育祭で使用していい。 ・自分が参加する競技では、安全性が確保できないため、使用してはいけない。
・中学生最後の体育祭を最初から最後まで楽しんで参加することができました。 ・観戦だけでなく、クラスメイトと一緒に終始笑顔で楽しんで応援していました。 ・学校側の懸念材料だった「周知」と「管理」の問題があったので、目立たないようにするためポケットに入れて持ち運べるインイヤー型のノイズキャンセリングヘッドフォンを用意しました。それによって、首にタオルなどをかけて目だたないようにすることができました。
備考・申請当初は、大反対されました。理由は、全校生徒が参加する行事であることと、保護者の目にも触れるため、「どこまでに周知説明しなくてはいけないのかが計り知れないから。」ということでした。また、貴重品としての破損、紛失 などの管理の問題も懸念される材料だったようです。 最後まで引っかかっていた問題は、「どこまでの生徒に話すのか」、でした。 学校としては、「全校生徒」に伝えたかったようです。本人は「全校生徒の前で伝えるのは嫌だけれど、使えるなら全校生徒に話すことは構わない。」と言っていました。保護者としては、「そこまで話す必要はないのではないか」という考えから、折り合いをつけるのに時間がかかりました。結局、7クラスある同学年には事前の予行練習の時に伝え、他学年については、当日の朝礼で各クラスの担任が名前を伏せて伝えることになりました。 個人の問題なのに、学校側は万が一のトラブルや苦情、体裁のことばかりを考え、子どもの気持ちまでは考えてくれず、がっかりしました。学校が懸念していることを丁寧に伺い続け、ひとつひとつどうしたらいいのかを考えて、提案していったことで最終的に折り合いがつき良かったです。 この件に関しては、本人の強い意思があり、先生に直接頼みに行ったこともあり、先生方も動いてくださったのだと思います。